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The Salon of Polish Women Composers 1816-1939
A lecture and a concert by Magdalena Lisak
マグダレーナ・リサク先生による「ポーランド女性作曲家たちのサロン」
とても貴重なレクチャーコンサートでした。
ショパンはじめ、偉大な男性作曲家たちのかげに霞む感のある、19世紀から20世紀にかけて活躍したシマノフスカやランドフスカといった女性ピアニスト9名についての解説と演奏。
私にとっては、まさに知りたいと思っていたテーマです。このレクチャーがあることを知ったのは前日でしたが、リサック先生のことを存じ上げてもいるし、これは聴こう!と即断しました。
いったい私は女性作曲家を何人知っているでしょうか・・・
マリア・シマノフスカ、クララ・シューマン、ファニー・ヘンゼルト=メンデルスゾーン、シャミナード
これですべてとすると、たった4人。
女性作曲家の作品をコンサートで聴いたことがあったかどうか。
弾いたことはあります。
シャミナードを、夏目くんとの2台ピアノコンサート弾きました。もっともその時にシャミナードが女性であることを初めて知ったのですが。。。
作曲という仕事はよほど男性向きなのでしょうか。
音楽を縦にも横にも構築するとか、組み上げるという仕事は、男性の得意分野だろうと思われます。でも人の心を酔わせる芳醇なメロディーラインや歌心までもが男性の得意分野か。。。
会場の新百合ヶ丘の昭和音大へ行くと、
「あっ、祥子さん!」
振り向けばブコフスカ先生同門の江崎昌子さん。
「あら、昌子さんもリサク先生の?」
「そう。つい昨日知って、これは聴いておこうと思って!」
やっぱり!
このレクチャーのテーマは、ポーランド留学組にとっては待ってました!の内容です。
 
さてレクチャーでは、全部で9名の女性作曲家をとりあげていました。
シマノフスカとランドフスカ、あと1名、“乙女の祈り”だけで有名なボンダジェフスカ。結論からいえば、この3名だけが、職業音楽家として名を成した存在だったということです。
○マリア・シマノフスカ1789-1831
シマノフスカはショパンの青年時代にヨーロッパでもっとも活躍したピアニスで、女性ピアニストの草分けとされる。作曲家としてはサロン風小品を多く残している。ショパンもシマノフスカの演奏は聴いており、若い時代の作品には影響がみられる。
昨年ワルシャワで開催された、ショパン国際ピリオド楽器コンクールでも、シマノフスカのポロネーズは選択課題曲に入っており、多くの出場者が演奏していました。

○ヴァンダ・ランドフスカ1879-1959
ランドフスカはもう言わずと知れたチェンバロの大家でもあり、ピアノの普及によって忘れられていたチェンバロを再びよみがえらせた、バッハ演奏の権威でもあります。演奏家としての活躍が多く、作曲はごくわずかだそうです。
 
○テクラ・ボンダジェフスカ1834?-1861
“乙女の祈り”が爆発的に売れたものの、20代の若さで世を去り、この曲だけで後世に名を残した伝説の女性作曲家。
 
○ヘレナ・ウォプスカ1887-1920
○ナタリア・ヤノータ1856-1932
○ヤドヴィガ・サルネツカ1877?-1913
○レオカディア・ムシンスカ=ヴォイチェホフスカ1858-1930
○ゾフィア・オッセンドフスカ1887-1943
○ヘレナ・クシジャノフスカ1867-1937
残る6名は私も初めて聞く名前でした。
作品のジャンルとしては、マズルカ、ワルツ、子守歌、無言歌、絵画的練習曲と様々に及んでおり、サロン音楽と言っても、かなり規模の大きい作品もあり、ヴィルトゥオーゾ性の高いもの、突発的な転調を繰り返す異端の作品もありました。
コンサートの最後に、アンコールに弾くべきではないかもと遠慮がちに演奏されたのは、ボンダジェフスカ(日本ではバダジェフスカ)の『乙女の祈り』。
改めて。。。。こんなにも美しい曲だったとは!?

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