カワイ表参道パウゼでステップとトークコンサート!
9月1日(日)カワイ表参道パウぜでピティナピアノステップとトークコンサートを開催!アドバイザーには気鋭の男性ピアニスト二人、今泉響平さんと本山乃弘さんをお迎えして、私と3名で務めました。
トークコンサートは、3名で一つのステージを作り上げるのを恒例としています。多くの方に聴いて頂きたいし、お客様にとっても3名それぞれの演奏が次々聴けるのは楽しみだと思います。
今回は、本山乃弘先生によるショパン作曲『華麗なる大円舞曲』Op.18で華やかに幕開け。続いて、三善晃作曲のピアノ・メソード第12巻から小品を4曲。この4曲はとても有難い選曲でした。
本山先生は中学生だったピアノ少年の頃、三善晃がピアノ・メソードのプロモーションで全国を回っていた時に、ある会場でデモンストレーションで弾かれたのだそうです。すごく上手なピアノ少年だったに違いないので、さぞや良い演奏例を示されたでしょうね。それが三善晃と本山先生の繋がりのきっかけで、その縁で今回はピアノ・メソード最終巻から珠玉の4曲を選曲して下ったのでした。三善晃とショパンをテーマに掲げているステップですから心からの感謝です。
続いてワタクシ。ここずっと取り組んできたショパン『マズルカ』の全曲録音が完了したので、今回はその中から作品17の4曲を選びました。
初期、中期のマズルカはほぼすべて4曲が1組になっています。この作品17もそうなのですが、特徴的なのは、すごく威勢のよいマズールから始まっていることです。これは案外珍しく、多くは寂しげでノスタルジックなクヤヴィアクが1曲目に置かれています。私達演奏者にとっても、静かに始まる1曲目だと入りが自然で、そのあと、2曲目、3曲目と徐々に曲の規模が大きくなり、粋なマズルカであったり、力強い農村のダンス風であったりと発展していくとノリがよいのです。
でも、始めの曲が威勢がいいと、そのあとに続く曲が萎んでいきそうな心配にかられます。いえ、そこはさすがにショパン、萎ませるわけがないっ!
2曲目は寂しげな短調ですが、それをPで弱くではなく、Fフォルテで強く響かせます。3曲目は風の精シルフィーの舞を思わせる曲。でもリピートを全部やるとどう変化を加えたらいいか困るのが難点。
作品17の白眉は、いうまでもなく4曲目にあり!これほどの曲が他に見つかるでしょうか。シューマンの森の情景から『予言の鳥』も、ブラームスのインテルメッツォ作品118-2も、天才にしてもよくぞこれほどの曲を作ってくれた、と思わせるけれども、この作品17-4こそは、土着の民俗旋律と、ユダヤの旋法と、ショパンの創造性の類いまれな融合だと断言できます。
古今東西の大ピアニスト達も、例えばホロヴィッツもそうですが、作品17全部ではなく、この曲だけ録音しているのは、要は弾きたくなる音楽だから、この曲に最高の価値を見出しているからでしょう。
あら、マズルカとなると、どうも熱が入ってしまって長くなります。
そして3人目は今泉響平さんによる、ショパンの『ノクターン変ニ長調』作品27−2。テーマが装飾を伴って変奏されていきます。それがまるで透けるレース編みのようで、音で紡いであるレース編みそのものです。
そして最後は、ダダーンダダーン🎶の曲!スクリアビンの超有名エチュード作品8-12で幕を閉じて頂きます。今泉さんは、曲目にショパン縛りがあるなら『革命のエチュード』でもいいです、と言って下さったのですが、そこはモスクワで6年も勉強されたのですから、今泉さんのスクリアビンは誰もが聴きたいというもの。
この写真でお分かり頂けるように、待っている二人はステージ横で聴いています。
本山さんの演奏はとても整然としていて、形が綺麗に整っているので、本来なら次に弾く私はドキドキ心臓が打ち始めるはずなのに、不思議なくらい、おまじないでもきいたかの如く、心が鎮まりました。
よいテンポ、整った活気のあるリズム、美しく響く旋律線、気持ちの良い拍子感。すべてがコントロールが効いて整っている演奏だから、聴く人に安心感を、というよりさらに上をいく心の安堵を与えてくれるのでしょう。
おかげさまで、私は4曲のマズルカを存分に表現することができました!
そして今泉響平さん。独自のダイナミックなもうさすがの演奏です。ノクターンといえど、1000人規模のホールで通用するメロディとベースのバランスの取り方。どこかいびつさが感じられたのは、今泉さん自身が思っているように音楽が運べていないと感じていたからかもしれませんが、これぞ演奏家!
そして最後の曲はスクリアビンのエチュード!!後ろで聴いていてびっくりの地鳴りがしていました。ものすごい大音量なのに、バランスは損なわれず、低音から高音まで大迫力の大波が次々やってくるよう。うーん、すごい!
というわけで、おかげさまでトークコンサートは盛り上がりました。
今回のステップには学生音楽コンクール、ブルグミュラーコンクール、世界アマチュアピアノコンクールや、音大の試験のリハーサルのために参加した方々が多く、レベルが全体的に揃って高く聴きごたえはたっぷり!
私達アドバイザー3名も一生懸命に講評を書かせて頂きました。
私にとりましては。。。
表参道パウゼステーション代表として、初めて私自身が主催したステップでした。これまではカワイ出版が主催をとってくれていました。
そして次回からは、この表参道パウゼステーション代表を私の生徒さんの稲島早織さんにバトンタッチすることにしました。新旧の交代です。私はこれからもアドバイザーとして関わっていきますので、表面上はそれほど大きな変化は見えないかもしれませんが、これから稲島さんは活躍の場として生かして欲しいと思っています。
今回も小泉さん、黒崎さん、荒木さん、そして応援に駆けつけてくれた元カワイの藤木さん、パウゼの主である甘利さんなど、超有能なスタッフのおかげさまで、とてもスムーズな運営でした。
みなさま、誠にありがとうございます!
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