ショパンコンクール2021が開幕!
第18回ショパン国際コンクールが開幕しました!
ようやく、昨年2020年の予定が1年丸々延期になっての開幕です。10月2日から23日まで開催されます。
今回のロゴ。ピアノの形を抽象化した赤い♥型がきいていますね。
すべての情報は以下のサイトで見ることができます。
https://chopin2020.pl/en/
今日は第1日目。第1次予選は午前10時からと、午後5時からの2回のセッションが行われます。
午前中に私の注目のポーランド人演奏者二人が早々登場。
SZYMON NEHRING (Polska / Poland) シモン・ネーリング
KAMIL PACHOLEC (Polska / Poland) カミーユ・パホレッツ
特にネーリングは優勝候補の一人だと思っています。今日の演奏も画像で見る限りでは頭一つ抜きん出ていたと感じます。エチュード3曲のうち特にOp.10−10、10−1がよかった。バラード第4番は、コーダに入ってから終結に向かっての激流のような持って行き方に耳が釘づきました。
開演の頃は人がそれほど入っているように見えませんでしたが、ネーリングになったらかなり人が詰まったようです。当然でしょうね。
拍手も一際大きく、ブラボーも飛んでいました。
Op.55-2Es-durのノクターンで始まった演奏。ノクターンという名前の通り、ひけらかすことなく静かで、難しいポリフォニックなラインを時折浮き立たせながら紡いでいきました。すばらしいの一言です。
間違いなく第2次予選には進むことでしょうが、その先どのような演奏をするのか、今回どうしても追って聴いていきたい一人です。
そしてポーランドからもう一人、KAMIL PACHOLEC (Polska / Poland) カミーユ・パホレッツも午前の最後に演奏しました。
どうしてでしょうか。彼の表情を見ると、ドレスデンの美術館にあるラファエロの『システィーナの聖母』の下部に描かれている、なんともキュートな二人の天使たち、天使ラファエルと天使ミカエルと重なってしまうのです。
天使とパホレッツを結び付けたりするのは私だけの感覚かもしれませんけれど、パホーレッツも好奇心が旺盛で、汚れのない澄んだ心の持ち主なのだと思うわ。
出番待ちのパホーレッツ。少し不安げにみえます。この出番待ちの時の表情は意外と演奏にそのまま移行して現れるものです。頑張ってほしい!
午前中最後だったせいでしょうか、ホールは結構空席が目立ちます。
パホーレッツも想像通り美しく繊細な演奏を聴かせてくれましたが、音楽の大きな流れが揺らぐことがあったように思うのです。緊張のためなのかどうか。バルカローレの序奏も、余計な揺らぎがあったのは何かしらの不安定さの現れでしょうか。
そして前回に引き続き、ゲオルギス・オソキンス(ラトビア)GEORGIJS OSOKINS (Łotwa / Latvia)。
相変わらず表情も演奏もモノを言っています。ノクターンOp62-1の再現のトレモロは心に残る美しさでした。でも最後の最後になって、どうしてこんなことするんだろう、と思うような音を下の声から引っ張り出してきて、妙に強く打弦する。美しさが壊れるのに。でもそれがオソキンスの感性なのだから、個性と考えるべきですね。
続くエチュードOp.10-12革命は、持ち味発揮で、行き場のない激しい憤りを音で表現し尽くした演奏でした。
ご覧の通りヤマハピアノを選んでいます。バラードは第3番Op.47を選曲。勢いがあって、先へ先へと押しまくるきらいはありますが、様々なヴィルトゥオーゾ的な技巧を駆使してまったく飽きさせない。手首に巻きつけてる赤いヒモかゴムかはおまじないでしょうか。
このあと続いてアメリカのEVREN OZEL (Stany Zjednoczone / United States)。この人もとても上手い!
さて明日は桐朋でもショパンコンクールについて取り上げて、
ショパンコンクールについて知っておくべきこと
- ショパンコンクール発案のきっかけ
- コンクールの理念と目的
- コンクールの果たしている役割とその後の発展
そして、聴き方ガイドも内容に入れました!
これから日本人の演奏にも大いに期待しましょう!
楠原祥子
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。