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「夏をショパンと」音楽祭の最後に演奏したのはイワン・グセフ。
イワンはカザフスタン生まれのロシア人。モスクワのチャイコフスキー音楽院でヴォスクレセンスキーとエリッソ・ヴィルサラーゼに師事し、その後アメリカに渡り、現在はNY在住という経歴のピアニストです。
ガーシュイン国際、スタニスワフ・ノイハウス国際コンクールなどの賞歴の持ち主。とても小柄で温和で、むしろ控えめな印象のイワン。
でもその演奏にはうならされました!
師事したのがヴォスクレセンスキーにヴィルサラーゼとなれば、共通の知り合いも少しいるのではないかと思いましたが、意外にそれはわずかに一人でした。
ヴォスクレセンスキーには1年。その後の6年はヴィルサラーゼのクラスで学び、今でも折に触れてコンサートのプログラミングはヴィルサラーゼにアドバイスを求めていると言います。
今回のコンサートのプログラミングも組み合わせが絶妙で、ショパンの4曲はまず普通考えない組み合わせ。
聞けばやはり。。。。ヴィルサラーゼのアイデアで考えた組み合わせだそう。
イ短調の遺作ワルツを、普通コンサートピアニストがプログラムに入れるだろうか。まず入れないだろうし、アンコールでも弾くかどうか。
しかしそれを2曲目に持ってくることで、ロシア民謡「黒い瞳」を聴くような親近感を聴衆に感じさせ、一気に巻き込んで惹きつける。
そして3曲目のエミールガイヤールに捧げるマズルカは、稀にしか演奏されないので耳新しさが際立ち、端正な曲調によって、雰囲気が民謡からクラシックに再び戻される。
そして4曲目はあの悲劇的なフーガで終わるマズルカ。向かう先は。。。深刻な結末。
こんな組み合わせ、誰が思いつくだろう。もうこの4曲だけで、プログラムの前半すべてを聴き尽くしたような充実感が残ります
本当に世界中のすみずみまでヴィルサラーゼの影響力は及んでいる!
・ショパン:ワルツOp.69-2 h-moll, ワルツa-moll 遺作、マズルカa-moll エミール・ガイヤール、マズルカcis-moll Op.63-3
・スクリアビン:ソナタ第2番 gis-moll Op.19
・メンデルスゾーン:厳格なる変奏曲 Op.54
・プロコフィエフ:ソナタ第7番 Bdull Op.83
最後に演奏したプロコの戦争ソナタが圧巻だったことは言うまでもありません。
イワンの目に宿る音楽への情熱。根っから、ただ音楽だけの人のように感じられます。
これからもコンタクトを取り続けることができたら!
楠原祥子

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