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今日はパリから一時帰国中の深谷ますみさんと、黒崎姉妹とで久しぶりに一堂でミーティング!
深谷さんは桐朋を卒業後、パリに留学して11年。優秀な彼女は、まずエコール・ノルマルのピアノ科でオリヴィエ・ギャルドンに師事、次に国立コンセルヴァトワールの伴奏科、歌曲伴奏科、コレペティ科と勉強を積み重ねていきました。
ヨーロッパの歌劇場のコレペティの採用試験を受けると、最後の数名に残るものの、最後の最後で、ネイティブではないという語学の壁に泣かされることが続いたそうです。
そしていよいよヴィザの関係で、このままパリに残れるか帰国か、と瀬戸際にきていました。
パリに行けば必ず深谷さんを頼っていたので、残ってくれないと困るっ?、と身勝手な私は思っていたのですが。。。

ここへきて、市立コンセルヴァトワールでフルタイムの先生の職を得て、さらに生粋のパリジャンとご結婚♡と相成り、本当にめでたしめでたし!
私が描いた深谷さんのフランス生活の理想としては。。。
どこかしらの歌劇場のコレペティとして採用されて、アップデイトなオペラの仕事をこなす。そして、時には帰国して日本にもそれを伝える。。。ですが、それはお預けです。

黒崎妹(メゾソプラノ)が今度モーツァルトのコシ・ファン・トゥッテを歌うので、その中のレチタティーヴォのレッスンを深谷さんにお願いしたそうです。
そうしたところ、深谷さんのピアノ伴がものすごく交響的で、のせ方が上手で、さすがだなぁ。。と思ったとのこと。
実際にパリ国立コンセルヴァトワールのオペラでコレペティとしての経験も充分積み、いくつかのオペラは隅々まで勉強して知り尽くしているはず。
フランスで、それをプロフェッショナルとして生業にできるまでにあと一歩だったかもしれない、と思うと少し残念でもあります。
しかし、幸い、ご主人のガブリエルは、深谷さんにいつも「キミはもっと野心を持つべきだ!」と言うのだそうです。
実際、今となっては笑える話ですが、付き合っている最中に、ある日二人でオペレッタを観に行った帰り、まったく突然に。。。
「キミの様子をずっと見てきたが、キミには野心が足りない。そういう女性は僕の理想ではないから、キミのことは好きだがこれまでにしよう。キミはキミで、それでよいと思ってくれる人を新たに探したらいい。」
と言われ、青天の霹靂の深谷さん、にべもなく決別の羽目に陥ったそうです。
この話は、すでに数回深谷さんから聞いているにも関わらず、聞くたびに新鮮。オドロキに見舞われます。
「それでもって、どうやって復活を?」
「2ヶ月後くらいに、やっぱり寂しく感じている。。というメッセージが来たんです。」
「へぇぇぇ〜」
留学の行く末には色々な人間模様がありますが、11年パリで一人で頑張って、勉強も恋もして、一つの幸せな区切りを迎えて本当によかったなぁ….と。
薬指のダイアモンド指輪?が輝いていました。それはもうびっくりするほど素晴らしいダイアモンドの指輪で、ベルギーのアントワープまでガブリエルが出向いて用意してくれたものだそうです♡
末永く幸せに。これからキャリアの道も捨てずにね!
楠原祥子

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