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3年前の2013年7月、バイロイト音楽祭でワーグナー作曲、楽劇『指輪』全曲を拝聴しました。

バイロイト歌劇場内部

バイロイト歌劇場内部


祝祭劇場内部2
大のワーグナーファンということでもないのですが、好きなことに変わりはありません。
「いつかは行ってみたい。」という夢が叶いました。
勿論チケットを個人で入手することは困難なため、ツアーに参加して参りました。
ツアーの良いところは、自分で航空券、ホテル等の手配をしなくて済む点と、わざわざバイロイトまで行きたい人々が参加するわけですから、音楽、特にオペラの趣味という共通の話題で会話が弾む点です。
私を含めて7名のツアーでしたが、皆さん立派な音楽ファンで、楽しい会話の時間が持てました。
祝祭歌劇場と筆者

祝祭歌劇場と筆者


この年はワーグナー生誕200年ということで、ドイツのメルケル首相も来ておられました。
演出が今までとは変わり、石油(・・・黄金・指輪の代替物と思われる。)が主なテーマで、共産主義国家と資本主義国家(アメリカ)が舞台、という訳の分からない舞台装置でした。
『ラインの黄金』では、テキサス州(・・・と思われる。)のガソリンスタンドが舞台で、ライン河がガソリンスタンド兼住宅のプールという有様で、さっぱり訳が分かりませんでした。
『ワルキューレ』では、中央アジア(・・・と思われる。)の油田地帯の油井(ゆせい)が舞台で、マルクス、レーニン、スターリン、毛沢東の顔が岩に大きく彫刻されており、共産主義と石油との結びつきを表現していましたが、これも訳がさっぱり分かりませんでした。
ただ音楽は、祝祭劇場楽団がキリル・ペトレンコの指揮の下、素晴らしい演奏をして感激しました。歌手人はブルンヒルデが良く、ジークフリートはいまいちでしたが、聴くには耐えられるものでした。
演出は最悪で、幕がおり、演出家カストロフが舞台に現れると激しいブーイングが起きました。
翌日のファイナンシャルタイムズでは、ワーグナー家の混乱がもたらした最悪の演出家選定!と酷評しておりました。
歌劇場は『指輪』を上演するために作られた特殊な作りで、音響効果は素晴らしいと感じました。低音がしっかりと聞こえるので、ワーグナーのデモーニッシュな音楽には最適であると思います。
リスト博物館でみた絵画

リスト博物館でみた絵画


 
バイロイトは小さな町ですが、宮殿のようなものもあり、それなりに、演奏の無い時間を楽しむことができました。
ただ、生誕200年にもかかわらず、ワーグナーが住んでいた邸宅(・・・現在は博物館)が改修中で見学が出来なかった事が残念でした。しかしリスト博物館は開館しており、そこでワーグナー関係の写真なども展示されていたのは幸運でした。
バイロイト市内のワーグナー像

バイロイト市内のワーグナー像


時間と健康が許せば、再訪し、あの豊穣な音の世界にもう一度浸りたいと思っています。
 
 
 
 

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