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二番町スクールの生徒さんたち二人、レッスンが前後の信乃介くん(小4)とももこさん(小3)。

たまたま小学3、4年生の生徒さんが多くいるので、私はある時急に思いついたのです。

そうだわ、みんなに同じ曲を弾かせてみようっ!

この発案は、。。。

大変に飛躍的ではありますが、第一次世界大戦後に唯物的な世相を由々しく思い、ショパンの音楽の行く末を案じたポーランドのピアニスト、イェジー・ジュラーヴレフ教授が、スポーツに興じる若者を見て、

「そうだっ!コンペティションだっ!!」

と頭に閃いた。この閃きこそがショパン国際コンクール開催のルーツなのです。

私の発案はその超ミニ版ではありますが、このコロナ禍にあってステージで生の音で弾くチャンスが制限される今、気軽に目標達成するための小さな弾き合い会は、生徒さんのやる気を鼓舞することになると提案したのでした。

曲はフランスの作曲家シャブリエの『スケルツォ=ワルツ』。小学3,4年生にはなかなかの大作です。

いやしかし、とにかく私の鶴の一声で3,4年の生徒さんたちは一斉に譜読みを始めたのでした。それが昨年11月のこと。

祐輔くんは早々仕上げてクリスマスコンサートで立派に弾きました!すばらし。

信乃介くんは、「やだ〜、こんな曲。ダチョウのダンスみたいダ。」と騒ぎ続けます。

“ダチョウのダンス”とは聞き捨てならぬセリフ。しかし鋭いところを突いているではありませんか。

そうです。この曲は田舎っぽいのです。空虚5度とよばれる民俗舞踏の伴奏に用いられる5度音程の低音がバンババンと鳴り続けるし、メロディラインも4度と5度音程のモティーフの連続で、土着の色合いが如実に漂う。

信乃介くん、すごい。感覚で田舎臭さを察知している!と私は妙なところに感心したのでした。

さて、千葉組のまりちゃんは無難にまとめて仕上がり、さすがまりちゃん、よしよしと。小春ちゃんは弾けない部分はギブアップではありましたが、ある時急に頑張って暗譜にこぎつけてえらかった。

そんなで、千葉の生徒さんたちは足並みが揃わずで、順繰りに終わっていきました。

二番町組のももこちゃんは、コンクール挑戦の合間にせっせと譜読みをしてしっかりまとめてきました。譜読み早い。

信乃介くんはレッスンに来るたび、“ダチョウのダンスはいやだ〜”と騒ぎながらも、ママや私がうまくいなして、一旦は仕上げを放棄する危機に直面しましたが首尾よくまとまってきました。

そしてようやくこぎつけた二人の小さな弾き合い会!

二人ともこの曲がたまらなく好き!ではなかったらしいけれども、それでも二人の演奏のよさをお互いに確かめ合うことができて、よい弾き合い会でした。

この曲はだいたい5分弱。これまで長くても3分程度の曲をやっていたので、それを一気にステップアップ。難易度も一気にステップアップ。

そうだ、コンペティションだ!のジュラーブレフ教授よろしく、私もこれを利用して生徒さんの実力のステップアップを図ったわけ!

その後、ももこちゃんはモーツァルトの『きらきら星変奏曲』、信乃介くんはバッハの『イタリア協奏曲第3楽章』に挑戦中。

信乃介くんは、今度は「“白鳥のダンス”みたいだ。」と気に入った様子です。なぜイタリアンコンチェルトがダンス〜??ですが、感覚や感性は大切にしてのびのびと〜。

千葉組の祐輔くんはモシュコフスキの『火花』、まりちゃんはシューベルト『アンプロンプチュ変ホ長調』、小春ちゃんはクレメンティの『ソナチネハ長調』に進んでいます。

頑張れ、期待の星たち!

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