BLOG

ブログ

暮れも押しつまった29日。いつも頼りになる黒崎裕子&朋子姉妹と桐栄くんが来てくれました。

黒崎姉妹は以前に私がお教えしていました。その後黒崎御一家は前橋にお引越しをして、桐朋の子供のための音楽教室高崎教室で学び、姉の裕子さんは玉置教授に師事し、高校から桐朋のピアノ科へ。

妹の朋子ちゃんは、ピアノではなく歌の道に進み、東京芸大の声楽科に進学しました。ところが、芸大の受験を控えている頃、乳癌を患いとても大変な時期があったにも関わらず、それを見事に切り抜けたのでした。本人はもちろんのこと、お母様の並々ならぬ意志の力も働いたに違いありません。

途中決して平穏ではなかったにせよ、二人は音楽の道で活動を続けています。姉の裕子さんは、出身の高崎教室の講師になって後進の指導にあたっています。

朋子ちゃんは、結婚して息子の稀理君が生まれてもオペラや歌曲、また日本の歌の紹介のために、昨年夏にはフィンランドでもコンサートとセミナーをするなど、素晴らしい活躍ぶりです。

その朋子ちゃんが、小さい頃『おじゃちゃんに遊んでもらった』(???)のと、乳癌を患ってその後再発した時に『おじゃちゃんが心配して電話をしてきてくれた』ので、どうしてもお焼香させて頂きたい、と申し出てくれたのでした。

私の方も、実は、とても黒崎姉妹に感謝していることがあります。夫の口腔癌が判明した時に、朋子ちゃんが自身の経験から、すぐに癌治療について非常に適切な資料を提供してくれたのです。病院選びや治療方法の具体的な指針を示してくれて、それを参考にして動くことができましたし、真摯にその病と向き合った経験者だけが知り得る貴重なアドバイスの数々をしてくれて、言葉では表せないほど感謝しています。

そんなわけで。。。

お焼香して頂き、その後でランチに海浜幕張までお出かけしました。

縁起を担いで🐡ふぐ料理!

稀理くんは良い子で全然騒がず、ちんまりとお子ちゃまイスにお座り。

「ねぇ、朋ちゃん、どこで旦那様と知り合ったんだっけ?」

「あ、アプリです」

「そう言えば前にも聞いたわね。なんてアプリ?」

「色々あるんですけど、私たちは『おみあい』です」

「へぇ。そういうのもあるの。『ペアーズ』ってのは知ってるわよ、まりのちゃんがそれで結婚に漕ぎ着けた話しをさんざん聞いたから」

「ペアーズは最大手ですね。他にも色々あるんですけど、本気度によって使い分けするんですよ」

「へぇ〜」

「先生の別の生徒さんで珍しいアプリの人がいましたよね」

「そうそう。彼女は『コーヒー・アンド・ベーグル』っていうのだったわ」

「コーヒー・アンド・ベーグル???聞いたことないなぁ」

「あら、マイナーなのかしら。それで知り合ったカレはアメリカ育ちのパキスタン人で素敵な人よ」

「えっ?!先生会ったんですか?」

「そうなのよ。発表会の時にカレが来てくれてお話したのよ。とてもいい印象だったわよ」

と、そんな感じにおしゃべりは弾み、止まらなくなってしまったのでした。

自宅に帰って、コーヒーとスウィーツを食べていると、程なく桐栄君がやってきました。

お母様手作りのとってもセンスのいい生花リースを御霊前に頂きました。お気持ちをありがとうございます。桐栄ママには発表会の時にお花のアレンジをお願いしていて、それがまた素晴らしいセンスなので、他のお花屋さんにお願いできなくなってしまいました。

そして桐栄くんはあたかも始めからいたかのように自然に加わり、また止め処もなくおしゃべりは続く。。。。

「先生、この頃コンサート行ってますか?なんかいいのありました?」

「えぇ、結構行ってるわよ。えぇっとピアノはこの間ツィメルマンに行ったわ。カントロフとズラトミール・ファンのピアノとチェロデュオも行ったわ」

「ツィメルマンどうでした?」

「サントリーで、最初ピアノの蓋が閉まっていて、あれ?あんまり見ない光景だわねって話してたのよね。開演直前になったら、係の人が楽譜持って出てきて、蓋も開けて楽譜もセットして。レアな光景だったわ」

「そりゃ、なかなかないですね」

「演奏はもちろん素晴らしいには違いないんだけどね。。。」

「そりゃそうですよね」

「それがね、最初にショパンのノクターンを5曲弾いたのよね。Op9-2から始まって、15−2、27−2と弾いて、55−2になったら、あの曲はポリフォニーが複雑に絡み合うでしょ。それが、見事に解いた数学の回答かってくらいスパスパっと声部が弾き分けられて、五線譜があったら書取りできただろうと思うんだけど。。」

「だけど。。。?」

「詩情がね、感じられなかったのよ。ノクターンから立ち昇るはずの香気というか。詩情がないノクターンって空っぽの箱みたいなもの」

「テクニック優先ですかね」

「そうね、あれほど見事な弾きわけができてすごいと思うのよ。声部がひっからまるなんてことはゼロ。今上の声が下の声を乗り越えた、とか、全部よくわかる。そこに意識が集中してた感じ」

「そうだったんすか」

「でもね、その後に弾いたOp62-2からは詩情が立ち昇っていたわ。不思議ね、どういう違いでそう聞こえるのか、何かしらそこには違いがあるのよね」

いつまでも続きそうなお喋りはまた来年に持ち越すことにして、一旦2023年版はお開きにしましょう、となりました。次回は2月頃に牡蠣パーティだわね。

ホント、とっても楽しかったわ。ぜひまた来てね。

かわいいっ💕  ぐ、ぐるちい。。。
私の右手ったら、どうしてこんなに大きいのかしら。。。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。